第3章「師との別れ」

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ーサリエリピアノ教室ー 「サリエリ先生!!!!」 眼鏡は乱暴に扉を開けた そこにはベッドに横たわるサリエリの姿があった 医者の話によると危険な状態らしい 「先生…」 眼鏡の声に反応しサリエリは静かにこっちを見た 「フランツか…?」 「そうですよ先生!しっかりして下さい先生…」 「カールには会えたのか?」 「はい、カールに第9の楽譜渡しましたよ」 眼鏡はサリエリの手を握り締めた 「そうかそうか、よかった…ルイの想いは伝わったか…」 「はい!!」 「それを聞いて安心した。フランツありがとう」 サリエリは微笑んだ 「いいですよ先生…」 「そうか…フランツお前には…」 「え?」 「先に行って待ってるぞモーツァルト…」 私は驚いた私が見えているのか 『サリエリ、お前が逝くのは天国だ。私は地獄に行くお前とはもう二度と会えん…』 そう、お前と私では逝くところが違う… 「だとしても、私は待っている…ずっとずっと、最高の友をな」 『サリエリ…』 その言葉を残し薄く微笑むとゆっくりと瞳を閉じた 「先生?嫌だなぁ眼を開けて下さいよ…先生…先生っ!!!!!!」 我が最高の師 最高の友 そして最高のライバル… 私はピアノの前に座り 鍵盤に指を置いた
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