†最終章†

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それから婦人と暮らすようになり半年が過ぎた…。 幸せだった。少年はピアノを教えて貰い才能を発揮した。そしてこれまでの日々を小説にし、母を支えた。そんなある日、庭先に猫が居た。白い猫。薄汚れて痩せた…紛れもなくあの猫だった。猫はゆっくりてまばたきをしながら窓へ寄ってきた。少年は窓をあけミルクとパンを与え、許しを貰うと、その猫に立派なプレートて小さな鈴の付いた首輪を付けてやった。プレートにはMis cloverと書かれていた。猫はお腹いっぱいにご飯を食べ、暖かい毛布にくるまり少年と猫は幸せだった。 路地裏の掃き溜めに居た頃には 想像もしなかった幸せ。 永遠にこの幸福が続くようにと願っていた。 当たり前の生活。 当たり前の食事。 当たり前の寝床。 当たり前にあるべき全ての物に感謝した。 神などいないと言う概念は今でも変えなかった。 何より尊ぶ人…そばで見守ってくれる存在。それは母だったから。自分を生み出し救い出してくれたのは母だから。 衰弱仕切った体は、もう限界だった。 それでも少年は生きて死ぬまで何度もそう語って聞かせた。 そして何年か過ぎた頃…少年は幸福な死を迎えた。 寄り添ってくれた母と猫にありがとうと一粒の涙を残して…。
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