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俺が尋ねた事に反応し、親父はちらっとお袋を見た。
「……また新しい事業をやろうと思ってる」
あんた馬鹿か?
失敗して倒産したんだろうが。それ以前に資金無いだろ。
ほら、お袋も頭抱えてため息ついてるじゃねえか。
もっと安全な道には進めないのか?
分不相応な夢見すぎなんだよあんた。
「そんな顔するな!次こそは成功する!必ず!」
駄目だ親父。その台詞は失敗する奴の台詞だ。
間違い無くまた倒産する。もうこれは必ず。100万賭けてもいいんじゃないか?
そもそもあんた大卒資格あるんだから、無理して事業興さなくても職就けるだろ。
もっと現実見やがれ。
「親父。とりあえず止めとけ」
予想通り、「何で?」って顔しやがった。
やっぱりこいつ頭弱ぇ。
「断言する。あんたの興す事業は必ず失敗する。だから止めとけ」
「なっ!?」
露骨にショック受けてやがる……。
息子に言われたのがそんなに堪えたか?
まあ事実なんだ。仕方ないだろ。
親父……。もう夢は諦めな。
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