45人が本棚に入れています
本棚に追加
「今日から新学年、新しい気持ちで受験に向けて文武両道に励んでください。
では、ホームルームを終わります。」
先生のお決まりの挨拶とともに、クラスが騒がしくなる
「ゆーすけー。この後、暇だったらゲーセンいかね?最近、音ゲーにハマってさー」
後ろの席から、啓太が声をかけてきた
『わりぃ。この後は部活結成会だから顔出すわ。ゲーセンは1人で行っておくれ、帰宅部部長の啓太くん☆』
「ちょ!部長って!俺は部活などに貴重な時間を費やしたくないだけなんだよ!」
こいつは啓太。かれこれ小学校からの付き合いだ。部活には1度も入部せず、毎年帰宅部だ
『はいはい。ゲーセン行くのが君にとっては貴重な時間なのだねー』
「…けっ。わーたよ、ゲーセンは後日また誘うさ。
しっかし、面倒くさがりのお前が毎日毎日部活に行くなんてねー」
俺は高校から演劇部に入部した。
中学までは啓太と同じ帰宅部同盟だったが、映画を見て感動した乗りで演劇部に入部した。
『ははは、未来のハリウッドスターは努力を惜しまないのさ!
啓太くんも、今の内ならサインをプレゼントしてあげるぜ?』
「…祐介のサイン?ちり紙交換のおっさんも貰ってくれねぇよ」
『ば、ばかにすんなよ!!そのうちアカデミー賞とか取るんだからな!!
ばーかばーか!!』
心ない台詞に傷つけられ、逃げるように祐介は教室を出て行った。
最初のコメントを投稿しよう!