出会い。

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「今日から新学年、新しい気持ちで受験に向けて文武両道に励んでください。 では、ホームルームを終わります。」 先生のお決まりの挨拶とともに、クラスが騒がしくなる     「ゆーすけー。この後、暇だったらゲーセンいかね?最近、音ゲーにハマってさー」 後ろの席から、啓太が声をかけてきた 『わりぃ。この後は部活結成会だから顔出すわ。ゲーセンは1人で行っておくれ、帰宅部部長の啓太くん☆』  「ちょ!部長って!俺は部活などに貴重な時間を費やしたくないだけなんだよ!」 こいつは啓太。かれこれ小学校からの付き合いだ。部活には1度も入部せず、毎年帰宅部だ 『はいはい。ゲーセン行くのが君にとっては貴重な時間なのだねー』 「…けっ。わーたよ、ゲーセンは後日また誘うさ。 しっかし、面倒くさがりのお前が毎日毎日部活に行くなんてねー」 俺は高校から演劇部に入部した。 中学までは啓太と同じ帰宅部同盟だったが、映画を見て感動した乗りで演劇部に入部した。 『ははは、未来のハリウッドスターは努力を惜しまないのさ! 啓太くんも、今の内ならサインをプレゼントしてあげるぜ?』 「…祐介のサイン?ちり紙交換のおっさんも貰ってくれねぇよ」 『ば、ばかにすんなよ!!そのうちアカデミー賞とか取るんだからな!! ばーかばーか!!』 心ない台詞に傷つけられ、逃げるように祐介は教室を出て行った。
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