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照れ隠しに自分の頭を撫で、
「あ、あと、約束とかも抜きにしませんか?……一生を捧げるなんて……ヤバイですから」
「それは出来ません。これは約束、いえ、完全なる両者一致の契約事項であります。今更、解消は許されませんよ」
「あ……いやその……ね。そういうのあんまし覚えてないし…」
「では確認のため、あの時と同じ様に致しましょう!」
同じ様?と浩司が聞き返す前にクリスは両腕を首の後ろへ廻してくると、身体をこれでもかと密着させてきた。
首筋に吐息がかかるぐらいまで、顔も近づけてくる。電気がはしったように脳天がビリッとなった。
「ま、待ってください!?なにをしようと!?」
あいた両手をじたばたさせたが、彼女は離れようとはしない。
それどころか、より押しつけてきた。
「浩司様に再びお会いする日をどれだけ待ち侘びたか……。どうか、ひと度だけ、こんな私をお許しくださいまし……」
甘えた言葉にくらっとくる。が、男としてここは理性を盾に堪えたい。クリスとは今日紹介しあったばかりなんだ。
これはいけないでしょ、流石に。
心の中でいくら叫ぼうと、通じはしない。
とろけそうな彼女の唇が、コマ送りに接近してくる。
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