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アタル!と思った瞬間。
パチパチパチ。
いきなり拍手の音がして、クリスは飛びはねた。顔を真っ赤に染めながら遠退く。
「ハイハイそこまでよ。退学になりたいの?」
どこから声がしたかと見ると、入口横にある丸太に咲乃が腰をおろして座っていた。
「油断も隙もないわね」
「さ、咲乃さん!?いつからそこに……?」
「子供の約束がどうとか、その辺からよ。それよりいいわけ?いち生徒とこんなとこでイチャついて」
「い、いえ……それは…」
「関係者に見つかってたら、朝村君は退学だったでしょうね。あなたもただでは済まないでしょうけど?ね、先生」
血の気の引いた顔をするクリス。疑問を浩司が言う。
「先生って、なんのことです?」
「あら?話して無かったかしら。この人、今度うちの学校に赴任してくる先生なのよ。ほら、あなたのクラスの」
「………ウエエェ!?」
「いちをこちらで住まわせて戴く以上、仮の身分が必要となりますので……教師でもと。浩司様のクラスだとは知りませんでした。本当ですよ?」
と、クリス自身が応える。浩司はポカンとするしかなかった。
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