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級友の感心をさらった英語教師が、クリスだったなんて。
どういう巡り会わせをすればこうなるんだか。
不安げにしていた浩司に、クリスは言った。
「ご安心下さい浩司様。教師であろうとなかろうと、私があなた様に仕える身である事に変わりはありません。忠誠を誓い、使用人として全力を尽くす所存であります」
「あと、わたしも裏方を続けることにしたわ。よろしくね、朝村君」
意気込みを示すクリスと、訳も知らぬまに復帰を告げる咲乃。
浩司は、いろんな事が重なり過ぎて気がどうにかなりそうであった。
「もう、どうにでも好きなようにしてください……」
疲れてその場にへたり込む。
最後に聞こえたのは、笑った少女の声だった。
こうして、少年と少女は出会った。
彼と彼女が出会う日・完
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