223人が本棚に入れています
本棚に追加
「るかぜくん..はるかぜくん.春風くん。」
誰かに呼ばれ目が覚めた。
「んっ、ん~…。」
「どう、具合は?」
俺が大きくのびをすると、看護師さんが俺に聞いた。
「快調です!!良く寝れたし。」
「そう。じゃあまた来るわね。大人しくしてるのよ。」
「ふぁ~い」
俺はあくびをしながら答えた。
俺は菅野 春風[スガノ ハルカゼ]
高校3年。
去年の暮れに入院して4ヶ月あまり。
この頃寝つきが悪くて困っていたけど、
今日は良く寝れて体も気分も良い。
なぜって?
俺の病室から見える桜の木の花が満開になったからだ。
「この調子でいったら来年まで生きれるかな…?」
「あばれたりしなければね。」
俺が口にもらすと母が応答した。
「いたのかよ。いたんだったら声かけろよー。」
「失礼ね。あんたが起きる前からいたわよ。」
「そうだったのかぁ。わりぃ。」
近頃はこんなたわいもない会話も嬉しいような感じがする。
なぜかわからないけど。
「母さん。なんか差し入れない?」
「お菓子ならあるわよ。」
「お茶は?」
「ないわよ。」
「んじゃ後で買って来るよ。」
俺は母から差し入れとお茶代を貰った。
すると扉が開いて看護師さんがやってきた。
最初のコメントを投稿しよう!