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「将来の嗣子が、聖城で遊んでていいのか?」 慧の唐突な問いに、少しばかり頬を膨らませる結衣。 「別に…慧に会いたくて来たんじゃないよ。咲に会いたくてね!」 「ちょっ…酷くない?」 結衣はそんな慧の言葉を、無視すると同時に、そっぽを向く。 「まぁ、仲良くしよー」 「咲が言うなら…」 その場は咲の仲裁で、平穏な空気を取り戻し、席に着く慧。 窓際の席からは、青く透き通った空が良く見えていた。 「空が…青いな…」 「え?」 突如として意味深な言葉を発する慧に、思わず反応してしまう咲だが、何も返してこない慧の横に腰を下ろす。 「皆、お早う! 全員揃ってるわね?」 学校のチャイムと同時に、威勢の良い女性が、A4に近い黒い板を手に、慧達の教室に入ってきた。
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