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「えー、今日からこのクラスの担任を務めます、滝原 綾乃(たきはら あやの)です。楽しい1年間を過ごせれば良いと思っておりますので、宜しくね」 咲とはまた違う美しさに、何人かの男子生徒は釘付け。 「あの人綺麗だね」 窓際に居る咲が慧に、滝原を鼓舞する言葉を掛けるが、慧は机に伏せ、反応が無い。 「寝てるんだ…」 滝原と担任も決まり、忙しい高校生活が慧を襲いそうである。 海は… 穏やかな波を繰り返し繰り返し、浜辺に打ち付ける。 鳥は… 聴き心地の良い囀りを響かせては、小さき羽を羽ばたかせ宙に舞う。 太陽は… ギラギラと燃え盛り、春日に変貌すると、聖城高校を明るく照らす。 慧は… 未だに起きることを覚えず、机に伏せていた。
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