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ガラガラーと、学生生活を送る上で、欠かせない音が響き渡る。 慧が教室の光景を目に入れるなり、飛び込んでくるのは、仲が良いもの同士集まって話す生徒や、本を読んで緊張を消し去る生徒、寝てる生徒など。 そんな中に、咲を見つけると、咲が慧に気付く。 「慧ーここだよ!」 どうやら名字の頭文字からして、隣同士になったらしく、咲の笑みは輝きを増すばかり。 「お? 結衣か?」 不意に咲の隣に居た少女に、目をやると、それは紛れもなく高城 結衣(たかぎ ゆい)であった。 「か? じゃないでしょ!」 「悪い悪い」 『結衣は怒ると恐いからな…』 結衣の第一印象… 華やか且つそれに似ついた、サラサラの黒髪。 正にお嬢様と言える。 しかし印象だけでは無い。 結衣は高城財閥の娘でもあり、大体お嬢様が何故聖城にいるかが疑問なのだが、結衣の意見で聖城に通うことになったらしい。 「また宜しくな」 「うん!」 結衣は咲と同様、中学時代は慧達のマネージャーを務めていたのだ。
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