美音 稟とビネイ

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学校も見えはじめ、俺の学校の制服を着た学生が多くなった もう間に合う、と思い走るのをやめる すると後ろから肩を勢い良くつかまれる 『おーっす』 と軽快に出会った挨拶をするのは、俺の悪友 『谷口か…』 けっして忘れ物で有名な谷口じゃないぞ? 二人で肩を並べ学校にむけて下り坂をゆっくり歩いていると谷口が 『今日は一時限目から午後まで音教だな、今日こそ歌ってみせるぜ❗』 音教…簡単に言うと音楽の授業、主に楽器演奏だがな 『無理無理…俺達凡人に歌える訳ないさ』 ビネイでの活動はいっさい誰にも話してない 谷口が自分のバッグを漁り、一枚のCDケースを取り出した 『ほら❗すげぇだろ❗ビネイさんのシングル買ったぜ』 俺に突きつけてきたのは俺ことビネイの 最新シングル 『ばっ❗お前これかなり高いだろ⁉』 確か1万前後のCDだったような… 『そりゃ高かったさぁ~だが常に新鮮な音楽聞いてないと倒れちゃうからさ✨』 そこら辺の安い洋楽でも聞いてりゃいいのに最新CD買うやつがあるか 『は…はは、んじゃ今日こそ歌えるようになれよ』 『なんかそれ自分は歌えるから頑張れよ、って感じに聞こえるぞwww』 まぁ歌えるんだがな
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