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「…っ、あれ…ここどこだ?」
周りを見渡すとカーテンで隠されている。
自分の寝ているベッドを見ると事態が呑込めた。
白いパイプの軸に白いベッド。
白いシーツに白い掛布団。
そして白い枕。
横には白いパイプの背もたれがない丸椅子が一つ。
「保健室だ…」
そう。俺は保健室で寝ていた。
「俺はなんで保健室にいるんだ?」
これじゃあ、折角死ぬ気で走ったのに遅刻したも同然だ。
いつもなら、もう授業を受けている筈だ。
どうして今日は遅刻などしてしまったんだろう。
全く今日はツイてない。
一先ずベッドから起き上がった。
カーテンを開いて出てみると…
「あら、叶居くん。起きてたの?」
「あぁっ…はい」
この人は保健室の先生で《季戸 志音(キドシオン)》
物凄く美人だ。
この学校のマドンナ的存在である。
「なぁに、どうかしたの?」
「え…いや、別に何もありません。」
「あらそう?叶居くん保健室初めてよね?」
「あ、はい」
「もしかして今日は、私に合いに来たのかしら?」
先生は色っぽく聞いてきた。
「えっ…!?何言ってんすか」
「冗談よ。そんなに慌てちゃって、可愛い」
「なっ…!!」
内心ドキドキで心臓は今にも張り裂けそうだった。
「フフ」
「もういいです!…ところで、どうして俺は保健室に?」
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