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始めた当初は球自体を見ていました。それを感覚でさばいていました。放たれた球は、空中を浮遊して飛んできますから、遠近感がどうしても曖昧でした。しかし、ある時気づいたのです。ボールに影があることをです。
影は地面を這いますから、これなら球の正確な位置を確認できるんです。
これに気付いた時は、もう天に向かって掌を合わせ、影の産みの親の太陽に感謝しました。
もちろん嘘です。
さて、フリーバッティングの神髄に着眼できたのはよかったのですが、影に追いつく反射神経を身に付けるのには三日をようしました。
私の幼少期にファミコンが発売されました。ゲーム大国日本の礎となったのは間違いなくファミコンでしょうし、その功績ははかりしれません。
当時小さかった私も夢中でやりました。初代は、ボタンが四角く、ゴム製だったので、押したらへこんで戻ってこないこともありましたが、後に丸いプラスチック製に改良され機能的になったのは、今になって思い出すと微笑ましいかぎりです。
そして私のゲーム暦は、スーパーファミコンの時代でストップします。中学生ぐらいまでゲームをしましたね。私はオタク気質ではないせいで自然とゲーム離れしました。あれから十有余年。
ゲームの礎を見た男がモバゲーでウン十万位の体たらくのうきめにあい、自信を失いました。
かつてファミコンを華麗な手捌きで操った男が、こんな脱力感一杯のゲームに舐められるなんて思ってもみませんでした。
私を愚弄したゲームの名はフィッシングミミです。
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