9005人が本棚に入れています
本棚に追加
そんな時、誰かの声がした。
「あー、やっぱ一年は初々しいな」
途端に女子が黄色い声を出し、気絶する人が続出して教室は騒然となった。
…やかましい。
耳を塞ごうとした捺の前に、黒い影が現れた。
「よっ、」
ん、なんやどっかで聞いた事ある声やなーと思いながら見上げる。
「……、」
「あれ?
ご挨拶はー?捺ちゃん」
何で、意地悪っぽく笑って言うのか分からん。
「…どなた?」
「あれ…、俺のこと知らないの?
二年、神山由。
ちなみに捺ちゃんの…ファーストキス第一号」
「……」
昨日の比にならないほどの、青筋が顔全体を覆う。
何でキスがまだだってこと、知ってるんや?
って、うちの聞き違いじゃなければ、確かコイツ「ファーストキス第一号」って…。
最初のコメントを投稿しよう!