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「よっ」
今日も由は捺の教室に行くが、捺はまだ昨日の事で怒っているようだった。
「……」
「って、無視?つれないな」
「………チッ」
「なに、まだ昨日の事怒ってんの?たかがキスだろ?」
「…たかが、?」
捺の右眉がピクッと上がった。やべっ、と後ずさりする。
「あ、あー…今のは何つぅか」
「…もう結構ですよ。怒ってませんから、だから私の前から消えて下さイ」
そう言い放つ、満面の笑みで。
「そんなに嫌だったか」
「その金と銀の汚い髪の毛、
だらしなくはいたズボン、
はだけたYシャツ、
無数のピアス、
甘すぎる香水、
一番最低なのがその軽さ、
すぐキスするとか女を何だと思ってるん?
皆が皆、喜ぶと思うなや」
由の目を真っ直ぐ見て、腕を組みながら言ってやった。
…必然的に上目遣いになっちゃうけども。
何せ、身長が15㎝の差はあるのだから。…気に入らない。
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