ヤキモチ?

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「友達だよ~。気にする事無いって。」 明らかに嫌そうな表情を見せる俺をなだめて、 彼女は掛かってきた電話を取った。 ・・・・・ぁー。 分かってる。 彼女の気持ちは、 何度も確かめた。 俺の事が好き。 俺だけが好き。 その時は、そう思えるんだ。 他の男から電話があっても。 他の男と遊びに行っても。 (二人で行くのは駄目だが!) なんつーか、 彼女の心に変化があるとか 浮気されてしまうんじゃないかとか そういう心配じゃない。 信用してる。 ただ、他の男が、 彼女に好意を向けること自体が なんか、嫌。 嫉妬じゃないんだよな。これは。 独占欲? 縄張り意識? ・・・・・んー。。 変な考えを巡らせてる内に 彼女の電話が、終わる。 「ごめんね」 舌を出す彼女。 「ん、いいよ。」 まだ機嫌の直らない俺。 「何で怒ってるの?友達だよ。」 質問を投げかける君に、 さっきの俺の気持ちを言えるわけもなく。 「別に大丈夫。怒ってないよ。」 機嫌を悪くしても、 何も解決はしない。 それはわかってるのだが……急に明るく振舞うなんて、器用な事は出来ない。 「私は、孝だけだよ?」 ちょっと上目遣いいをして、俺に気遣いながらそう言う。 「うん。大丈夫。 なんか…そう言うことじゃないんだ。」 素直に嬉しい言葉も、 素直に受け止められない自分が居た。 「じゃぁ、なによー。」 逆に、今度は彼女が口を尖らせる。 ここまでは、 何度も行われてきた光景だ。 このままでは、 彼女に不満が募って いつか駄目になってしまうんではないか? そう考えた俺は、彼女に質問を投げかける。 「んー、俺がさ。 例えば俺が、誰かに好きって言われたら…どう思う?」 「え? 孝は断るんでしょ? なら、別に?」 「……んー、そこでさ。 俺の場合は、好きっていわれたこと自体が嫌なの。」 正直に、自分の気持ちをぶつける。 「君の気持ちがどうとか、 浮気されるとかは全く考えてないんだ。……ただ……」 言葉をにごらせる俺を、彼女は促すように見つめる。 「ただ……?」 「………ただ、君に好意を寄せる男の存在が気に入らないだけ。」 彼女は、黙る。
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