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「おい、どうした。…さっきから黙りこくって。」
「別にぃ~…ご馳走さまでした。」
サリカは食べ終った皿を片づけてさっさと食堂を後にする。
「なんだ?あいつ」
「…さぁ?」
「…てかいい加減…アンタも離れてくれません?」
「あん…釣れないですわねユージェ様…」
隣で陶酔しているお嬢様に俺は疲れを感じ、盛大なため息をついた。
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「…ユージェ・アルヴェルニア・ガルイース…か。」
「…やはり気になりますか?班長。」
「……まあね…。」
アニキスとアンネは廊下を歩きながら今日初めて会った白い頭の魔術師を思い出していた。
「……《聖眼(スティグマータ)》またの名を《不可侵の聖痕(サクロゥサンクト・スティグマータ)》…六柱神の一柱から頂きし聖者の証し…その能力は加護する神により未知の領域の力を持つ。…彼は六柱のどの神の力を?」
「……わからん…《聖眼》は暴走して初めて加護する神の属がわかるという…暴走させなければ、精霊や聖獣を見て会話することができる只の特殊眼だからね。このまま…何もなければいいが…」
ふと、アニキスは歩みをとめたので、アンネは怪訝そうに視線をそちらにむけると、納得したのか…眉間に皺を寄せた。
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