光と闇の狭間で

出会い

倒れているミカの近くに、駆け寄った僕が見たものは……。
ミカの真っ白なコートから出てくる真っ赤な血。
今まで見たこともないようなおびただしい血がアスファルトに染み込んでいくようでした。
時が経つのがこんなにも遅く感じたのは、その日が初めてでした。
やっと事故現場に到着した救急車に乗せられたミカは、すでに意識不明の重体で見ていられない状態でした。
僕はなにかに取り憑かれたかのように「ミカ、ミカ、ミカ！しっかりしろ！」と繰り返し叫んでいました。
そんな僕を神が嘲笑うかのように、ミカはピクリとも動かなかった。
そんなミカを救急隊員が一生懸命、心臓マッサージをしていました。
僕はそんな光景を目の当たりにして、動くことができませんでした。
ただ、ミカの名前を声が枯れ果てるまで叫び続けることしか……。