出会い

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「もしもし、西条ですけど」 「あっ、僕です、鉄平です。ミカが、ミカが交通事故に遭って今意識不明の重体で処置室で治療してもらってます。僕の不注意でこんなことになってしまって申し訳ありません」 僕はパニクりながらも、そう言いました。 「分かったから!どこの病院にいるの?すぐ行くから」 「あっ!○○大学病院です」 「わかったわ」 その電話をしている間に処置室での治療が終わり、ミカは個室病室に移されていました。 僕の目に映ったミカは僕の知っているミカではなかった。 無数の管が繋がれ、4つの点滴の袋がぶら下がっており、心電図モニターはミカの心臓の動きと同じように、ピッピッと電子音が部屋に響いていました。 「ミカ……、お願いだ。目を開けてくれ。僕を置いて逝かないでくれ」 僕はミカの手を握り、泣いていました。 そうしていると、ガラッと扉が開いて顔面蒼白のミカのお母さんが入ってきました。 「ミカッ!」 僕が冷静にならないといけないと分かっていても、この現実を受け入れることなんてできなくて、頭の中は真っ白でした。
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