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次の日の算数の時間。女子が、勢いよく手をあげた。
「先生。宿題、出さなくていいんですか?」
ぼくは一瞬、どきりとする。そして、心臓をばくばくさせながら、先生の答えを待つ。
「宿題なんて出していないわよ」
先生はけろりとした顔で言った。ぼくは心の中で、すごいぞ!と叫んでいた。
数日後、また、魔王は現れた。ぼくは言った。
「明日の漢字のテスト。なくして欲しいんだけど」
「きみの望むとおりに」
魔王は嬉しそうに笑うと、また、空気に溶けていくみたいに消えた。
次の日、当然のように、テストはなかった。せっかく作ったテストをなくしてしまったのだと、先生が言っていた。クラスのみんなは、わあっと喜んだ。ぼくが魔王に頼んでやったんだぜと、いばりたくなった。
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