3. 夜

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  お風呂から上がると 祖母がドライヤーを片手に 待っててくれた。 脇下迄ある僕の長い髪を 祖母はドライヤーで 乾かしてくれる。 【頭から風邪ひくよってに  ちゃんと乾かさな  あかんねんよ?】 何万回聞いただろ…‥ 風呂上がりのその祖母の言葉。 でも絶対自分で乾かさない。 自分で乾かしちゃったら 祖母に乾かして貰えなくなる。 髪の毛が乾いたら 祖母は梅茶を注いでくれる。 猫舌な僕の為に フゥフゥしてくれる祖母。 祖母と梅茶を飲みながら お菓子を食べる。 僕の将来について 会話が弾んだ。 【璃亞ちゃんのお嫁さん姿  死ぬ迄に一回見たいわ】 祖母の言葉に 【二回も三回も見れたら  それはそれで嫌やろ】 と突っ込む僕。 口に手を当てて笑う祖母。 祖母にはウエディング姿 見てもらいたいな‐…‥ と心から思った。 【おやすみ婆ちゃん】 寝る前の挨拶をして 僕はベッドに入る。 電気を消して目を瞑った。  
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