カッコーの巣の上で

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アカデミー作品賞他4部門受賞。 原作は、ゲン・キージー36歳の作品で、ベトナム戦争、大学紛争、麻薬、LSD、ロックなどを抱含する反体制文化の台頭に先行したことで評価された。 JDサリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」、ジョセフ・ヘラーの「キャッチ22」とともに、60年代アメリカの三大愛読書のひとつとなった。 撮影は精神病院の一室を数ヵ月借りきって敢行された。 そのような作品のため、場面に大きな動きはないが、ユーモアがあり、悲哀もあり、怒りもある。まったく飽きさせない構成で、ラストの盛り上げは秀逸だ。 原作にないエピソードが違和感なく挿入され、ミロス・フォアマン監督の力量が示されている。 音楽がラストにマッチし、一層盛り上げる。 映画を観た醍醐味がいつまでも残る。 主演ジャック・ニコルソン(ロンゲストヤードのQB、シャイニングの狂気でニヤケタ顔が好き)、ルイーズ・フレッチャー。 L・フレッチャーは、NYアクターズスタジオで、リー・ストラスバーグからメソッドの教えを受けているような、自然で存在感のある演技を魅せる。 美形で売る女優サンより、フレッチャーのようにリアルに見える演技派が好きだ。 ※メジャーになる前の「白いドレスの女」のミッキー・ローク、「ミスターグッドバーを探して」のリチャード・ギア、最近では、「ノッティングヒルの恋人」のエレベーターに乗り合わせた記者役の金髪の青年に、アクターズ・スタジオの香りを感じた。
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