-小さな願い-

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森の入り口に子供が2人やってきた。 一人は立派なスーツを着た男の子で、もう一人はよれたシャツに継ぎ剥ぎだらけのズボンを履いた男の子。 2人の姿は対象的で、同じ場所にいるだけでも違和感を感じる。 「君は誰だい?」 スーツを着た男の子が尋ねます。 「お前こそ誰だよ」 尋ねられた男の子は寒さに鼻を赤くしながら聞き返しました。 聞き返された男の子は「お前」と言われたことに少し腹が立ちましたが、ちゃんと答えました。 「僕の名前はクリス。これからサンタクロースにプレゼントのお願いをしにいくんだ。」 名前を聞いた男の子は、クリスの足の爪先から頭のてっぺんまで観察すると、こう言いました。 「…お前、お金持ちだろ?サンタクロースにお願いなんかしなくても、いっぱい素敵なプレゼントを貰えるじゃないか。サンタクロースにお願いするのはボクさ!」 さすがにこれにはクリスも怒り、未だ名前を名乗らない男の子を睨み付けます。 二人はしばらく睨み合った後、フンッと鼻を鳴らして森の中へと入って行きました。
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