Enigma

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シャツを着ると、ふと腹の傷跡と目が合った。 これは母親に乗っとられた彼女が、十六夜家当主を殺そうとした時に受けた傷。 彼女が自分を取り戻そうと決意した証でもある。 小さい傷跡といえど、大きな意味を持っていた。 「ふぁ…」 あくびをしてから、癖っ気の髪をくしゃくしゃと混ぜてから葵は部屋の扉を開けた。 「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!?」 「え゛ぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!?」 いきなりの大声がきたので、思わず大声を出してしまった。 葵はじっと彼女を見つめる。 「ど、どうしたんだよ…。」 「え?あ、いやびっくりしちゃって…」 彼女は苦笑した。
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