Enigma

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彼女は十六夜恭香。 彼女の中に数々の事件の原因である母親…33代目十六夜家当主がいる。 最近だんだんと自分を取り戻しているらしく、今こうして目を見開いていたのも前に比べれば奇跡に近い。 「葵くん…びっくりさせないで…」 「いや、俺のセリフだろ…。どうしたんだ?慌ただしいみたいだけど。」 丁度廊下を爆走していった家政婦を見て、葵は恭香を見た。 ちょっと引きつらせた顔があった。 「いきなりだったからみんな慌ててるの…。」 「いきなり?だから双子もいないのか…。」 「あ゛!」 「え?」 「じ、じゃあ私行くね!食堂に朝食あるから食べてね!」 「あ、おい!」 爆走していった恭香を見て、葵は溜め息をついた。
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