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「…何があったんだよ…。」
相変わらず秘密主義一族だな、この家は。
仕方ないので葵は使用人を避けながら食堂を目指した。
木造の床は歩く度ギシギシと鳴る。
だがこの床は木目にしてあるだけで、下は冷たいコンクリートがある。葵はまだあの音を聞いていた。
前に見た『十六夜恭香』の記憶を思い出して頭を振る。
忙しかったせいで夢を見なくてすんだのが幸いなのか、葵は今までそれを忘れていた。めでたい頭だと彼はもう一回溜め息をついた。
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