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今は王子も19歳で、もうすぐ成人だ。
そろそろ縁談の話が本格的に持ち上がってきている事だろう。
王子は次の王となる方だもの。
国にとっても、何より王子自身にとっても良い縁談話があるといいな、なんてふと思う。
政略結婚が当たり前のような世界で、それは難しいかもしれないけれど…
普通に愛し、愛される温かい家庭を持ってほしい。
そこまで微笑ましく考えそして寂しくなった。
私が必要なのは、王子に嫁ぐ方が決まるまでの間…
もともと城の使用人というより、王子の身の回りの事をやるようにと城に残る事になったわけだから…
考えて頭をふる。
今は考えない。
それまで精一杯の事をする。
静かに夕日が沈んでいった…
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