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夜
食事を終えて自室に戻った私は、アルバムを開いてた。
アルバムの中には遠く離れて暮らす家族の写真。
手紙と一緒にいつも送られてくる写真だ。
家族の写真を見るたびに心が暖かくなるけど、同時に寂しくもなる。
どの写真にも、私は写っていないのだから…
その時、部屋にノックの音が響いた。
誰か訪ねてきたようだ。
「はい」
私はすぐに立ち上がり、ドアを開けるとそこには………
「イ、イシュリナ様!?」
立っていたのは、この国の王妃で王子のお母様であるイシュリナ様だった。
「こんばんは、彩華。このような時間にごめんなさい。」
「い、いえ!私は気にしません。でも、お一人でどうなさったんですか?」
イシュリナ様は薄い部屋着に少し厚手のストールのようなものを羽織っているだけ。
まだ夜は冷えるのに風邪でも引かれたら大変!
「とにかく中にお入り下さい!」
私は慌ててイシュリナ様を招き入れた。
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