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「彩華。セルジュが結婚をしたら、あなたはどうするのかしら…」
まさかそんな風に言われるとは思わなかったので私は咄嗟に言葉が出なかった。
私に聞きたい事というのはこれか…
王子が結婚したら…
「故郷に、日本に帰ろうと思います」
考えていたわけでもないのに言葉が出た。
そして、言葉にしたら納得した。
これ以外はない。
イシュリナ様は驚いた顔をしている。
そんな姿さえ、絵に描いたように綺麗なんだけど
「私、考えていたのよ。あの子が結婚したら、あなたに相応しい人を探そうって。この城にもずっといてもらいたいと思っているわ」
王子と同時に私の事まで考えてくれていたなんて…
涙が出そうになる。
私、ここへ来られてよかった。
この方達と出会えて本当によかった。
「もったいないお言葉です。そこまで思って下さって、私は幸せ者でございます」
嬉しい。
でも
気持ちは変わらない。
少しも揺らがない。
私は日本へ帰る…
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