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「かわいいね。」
にっこりと笑った顔が、また嫌みがなくて綺麗だ。
五十嵐はずるい。
昨日、夜が明けると熱が下がっていて、席だけが出ている状態だった。
理子は顔を合わせるのも恥ずかしく、変な態度をとっていたらことごとく耳元でささやくのだ。
かわいいと。
それでまた赤面する。
十代の乙女じゃあるまいしと思うがあの声にはあがなえない。次の日の約束が楽しみでもあり、恐ろしくもあった。
車の中に乗り駐屯地をでる。警衛が自身の中隊じゃなかったことが唯一のすくいである。
町はクリスマス一色、イブをカップルで過ごす者ばかりだ。
しばらく走って、あるところで止まった。
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