12月19日

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             俺は公園のベンチに座っていた。 寒空の下、震える身体。 赤いマフラーに鼻を埋める。 恥ずかしながら、彼女の手作りだ。 赤と白のストライプ。 クリスマスを先取りだ。              人々の行き交う通りに目を遣る。 クリスマスカラー一色の大通りに、親子連れが幸せそうに歩く。 子供の笑顔が眩しかった。 軽快なクリスマスソングに合わせるように、足取りも軽い。              苦笑いを浮かべながら子供に引っ張られる親を見送り、親はまた手元の求人誌に目を落とす。 寒さにかじかんだ指を這わせ、ページを捲っていく。 「短期で稼げるバイトは……っと…」 道路工事、ビル清掃、深夜の吉〇家。 どれも時給は魅力的だが…… 「楽に稼げるバイト…か」 そんなに世の中、甘くないよな。              「ウェイター…ねぇ」 こんな寒い外で仕事なんか出来ねぇ。 暖かい店内でやれる、ってだけで十分だろ。 番号を確認し、ポケットから携帯を取り出す。              「~~~♪」 呼び出し音を聴きながら、ベンチを後にする。
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