第三章 星を継ぐ者

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「星が……哭いてる」 少女は、夕闇に染まりゆく学校の屋上で一人呟いた。 「…リオ・クヤマ…」 エメラルドグリーンの髪を風になびかせながら、桃色の唇がかすかに言葉を紡ぐ。 「彼は…星を継ぐには…まだ早い…」   ワインレッドの瞳が、校庭の一角に向けられる。 視線の先には、新たに覚醒した継承者、久山 理緒の姿があった。 「クヤマ…君は私が――」   少女の声は、吹き荒れる突風によって掻き消された。   春一番……銀の季節が終わりを告げ始めていた。   (とりあえず)続く
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