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ぼくは動物がきらいなわけじゃない。ひよこさんもひつじさんもすきだし、触ることだってできる。
「お散歩、行こう」
でも、犬だけはだめなんだ。
「行くー」
弟の元気なお返事のあとにぼそぼそと言う。
「ぼくはお留守番してる」
ママの手にはたろうのリードが握られている。
「今日はぽかぽかあったかいから、お散歩したら気持ちいいよ」
ママが玄関に行くより先に、弟が靴をはく。
「ママ、たろうのリードちょうだい」
弟はママの手にあるリードを呼んだ。
「はいはい」
ママは張り切る小さな手に、その手首より少し細いリードを渡した。弟は顔をニコニコにさせて、庭へと駆けていった。
「行こう、」
ママがぼくに左手を伸ばした。お留守番はだめだと言ってる気がした。リビングにいたぼくは、しぶしぶ玄関に向かった。
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