記憶の断片

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  「アサミ、熱は下がった?」 コクッ 「痛いところとかない?」 コクッ 「昨日はよく寝れた?」 コクッ 「薬はのんどる?」 コクッ 結恵の問いにアサミは頷くだけだった。 「…」 「…」 「あれ?これお粥?」 「え…あ…」 結恵は机の上に置いてある、小さな土鍋の蓋をあけた。 「あれ?これって…。アサミが作ったん?」 アサミは黙って、首を振った。 「え?じゃあ、三神君?」 「…」 アサミは俯いて何も答えなかった。 「食べてぃい?私、お腹すいてて、アハハッ」 「…うん、いいよ」 結恵の言葉に、アサミも少し笑顔を見せた。 「いっただきまぁす」 結恵は嬉しそぅに、小皿によそったお粥を口に入れた。 (!!) 「おぃしぃ!!アサミこれ食べた?めっちゃおいしぃよ」      「まだ、食べてなぃ」 と、アサミは言った。 「食べてなぃん!?実はアサミもお腹すいてるんちゃうん?食べ食べぇ」 結恵はアサミの分を取り分けて、アサミに渡した。 アサミは結恵から受けとった、お粥を見た。 ナオヤが帰ってから、時間は経っていたが、お粥はまだ温かかった。  
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