記憶の断片

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  「よし、わかったぁ!この結恵様が車を出してあげましょ」 『おっ!!上からやなぁ』 「なに!!」 『嘘っす、嘘っす。お願いします』 「アハハ、なんか優越感♪あっ!そういえば三神君に初めて名前で呼ばれた」 (はっ!!ヤバイ。無意識に名前で呼んでしまった) 『え💦あ…名前?で呼んでた?つい、ノリで…』 「別に全然いいよ。みんな結恵って呼ぶし。名前で呼んでくれた方が嬉しいし」 『え?』 「え?」 俺と結恵は見つめあい、少し沈黙になった。 『い…いや、何でもねぇ。気が向いたら呼ぶわ』 「気がむいたら?アハハ、おもしろぉ。気長にまっとこ」 『待つんかぁ~い』 と会話を続ける中、俺は胸の高鳴りが結恵に気づかれないようにした。 (嬉しいって…どういう意味で?てか、名前で呼ぶなんて…。惚れてまうやろぉ~~!!って、惚れとるんやけど…。名前で呼ぶとか…考えるだけで無理や~) 「……くん?…三神君?」 『うわっ』 気づくと、目の前に結恵がいた。 「なんよ~。人をお化けみたいに!!」 結恵はまた膨れてしまった。 『ゴメン!ちゃうやん、ちゃうやん!目の前に可愛い子がおって、びっくりしたんやん、ハハ』 「…」 『?』 「…」 (え?まじ切れ?そんな怒ることやったか??) 俺は恐る恐る、背をむける結恵の顔を覗き込んだ。 すると、結恵は顔を赤らめていた。 『どしたん?怒っとん?』 「怒ってへんよ。見んといて」 と、結恵はぷいっと顔をそむけてしまった。 俺はなにがなんだかわからず、何もできないでいた。 その時 「たけぇ?」 アサミが目を覚まし、俺を見ていた。    
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