29人が本棚に入れています
本棚に追加
『あ、起きたんや。大丈夫か?熱はかって…』
ド゙サッ
熱を計ろうと近づいた途端、アサミが俺に飛びついてきた。
『ちょ、あ、アサミ?何やねん?どしてん?』
「…たけるぅ…」
涙声で俺を呼び、ぎゅっと俺を抱きしめた。
俺の肩にジワジワと冷たさが伝わってきた。
アサミは泣いていた。
俺はアサミの頭を撫でた。
そして、アサミが落ち着くのを待った。
すると、その様子を見ていた結恵が
「あ…あの三神君?私帰るね。アサミの事よろしくね。明日の事はまたメールするから」
と言い、早々と出ていった。
『おっおい!!たち…』
ガチャッ
『絶対誤解して帰ったよな…』
「…」
『はぁ~どしたんや?アサミ?何があってん?』
俺はアサミの頭を撫でながら言う。
「…」
『橘とケンカしたんか?』
アサミは首を振った。
『まさか俺が遅かったから、寂しかったんか?ハハ』
首を降る。
『…あっそ。んぢゃ、なんや?』
「…」
『まぁ、ええけど。そんな泣いたら、目腫れてぶっさぃくになんで』
「…うるさぃ」
『お!!くいついた!そやな。これ以上ぶっさいくになることないか』
アサミは俺から顔を離し、俺を睨み
「タケのばかぁ!!」
と言い、俺の胸のあたりを殴った。
『うわぁ!いてぇ!てかお前、顔涙でぐしょぐしょやんけ』
そういいながら、俺はアサミの顔を服の袖でふいた。
『まじ目腫れるかもな。そんな顔で行ったら、明日アサミの親父に怒られそうやな、俺』
「…え?お父さん?なんで明日??どこに行くん???」
驚いて理由を聞いてくるアサミに、明日病院に行く理由を説明した。
最初のコメントを投稿しよう!