記憶の断片

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…………… ……………………… 「ねぇ、ねぇ」 俺はゆっくりと目を開けた。 『…ん?』 「私の事わかる?」 俺のそばで、女が座って俺を見ていた。 『は?当たり前やん』 「んぢゃ、答えて!私は誰でしょう?」 『…え…っと…』 「…」 『…き…あれ?…なんでや。名前が…出てこぉへん』 「はぃ、ブー!!まだ…ダメなんやね」 そう言った彼女の顔は淋しそぅだった。 俺はそれを見て思わず叫んだ。 『ちがっ!!』 彼女は立ち上がった。 そして言った。 「ねぇ、タケ?早く思い出して?そして、私を見つけてよ」 『え?どういう事?』 彼女はニコッと笑った。 「ね、タケ?早くしてね。待ってるから」 そういうと彼女は走って行ってしまった。 俺は彼女を追いかけようとするが、体が動かせなかった。 『おぃ!!待てって!!き…ず……クソッ!!』 俺は彼女の名前を叫ぼうとしたが、やはり出てこなかった。 彼女の姿はもうなかった。 ズキッ 『痛てぇ…』 また、頭痛がして、俺は倒れた。 …………… …………………………
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