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プツン
何かが俺の中で切れた。
その瞬間…
ドサッ
俺は結恵を抱きしめていた。
「えっ?!」
『…』
「三神君どしたん?酔ってるん?アハハッ」
結恵は戸惑いながらも笑った。
『無理して笑うなや!!』
俺は結恵を抱きしめたまま怒鳴った。
結恵の体はビクッと震えた。
俺は結恵を抱きしめたまま話した。
『なんで笑っとん?ホンマは全然笑いたくないくせに。そんな顔で笑われたってちっとも楽しくねぇ』
と、俺が言うと
結恵は少し黙った後
「…離して…」
と小さな声で呟いた。
俺はその声を掻き消すかのように、大きな声で
『離さねぇ』
と叫んだ。
俺は結恵の言葉に逆らい、強く抱きしめた。
はなしたくないと言う気持ちもあった。
すると
「離してってば!!」
結恵は力を振り絞り、俺から無理矢理離れた。
そして涙を堪え、怒った顔で俺を睨んだ。
「三神君に何がわかるんょ!そんな風に言われる筋合いないし、楽しくないんやったら、初めからそう言えばいいやん!!しかも、勝手に抱きしめんといてよ!!ちょっとカッコイイからって調子のらんといて!!」
結恵はそこまで言うと、堪えていた涙が溢れだした。
「…ホンマ今日最悪な日や…。意味わからんし…嫌いゃ…大…嫌い…。みんな大っ嫌い…」
結恵はとうとう泣き出した。
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