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それからまた何分か経ち、俺は結恵が落ち着くのを待ち、尋ねた。
『なぁ、お前、ダチとかに相談したん?』
結恵は首を横にふった。
『何で言わんの?』
「…」
『なんでやねん?話せる友達いねぇの?』
「ちがっ!!」
『じゃあ、なんで言わんの?』
「…言えなぃよ」
『なんで?』
「…だって、話しても気使わせるだけゃし…」
『はっ?!』
俺は結恵の答えを聞き、大きなため息をついた。
『あのなぁ…何のためのダチゃねん。いつも一緒にぉるダチは楽しい時だけ一緒におろぅって言うだけのもんなんか?ちゃぅゃろ?お前やって、ダチが悩んでたら気になるし、相談のって一緒に考えていきたい思うやろ?お前がそんな態度やったらダチも辛いゃろうし、第一ホンマのダチや言えんゃん』
結恵は静かに聞いている。
『素直になれ、強がんな、一人で抱えこもぉとすんなゃ』
結恵は俺の腕から離れ、俺を見つめた。
目からは、大粒の涙がまた溢れ出そうだった。
俺は結恵の目からこぼれちた綺麗な涙を、人差し指で拭った。
そして俺は結恵の瞳を見つめて言った。
『俺はいつもお前のそばにいるから』
そう俺が言うと
俺と結恵は見つめあった。
お互い何も言わず、そのままの状態が少し続いた。
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