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『た…橘…』
俺は先程までの苛立ちを忘れ、結恵が目の前にいることに戸惑いテンパっていた。
「はょ。どしたん、結恵?」
俺がテンパっているのを察して、ナオヤが結恵に話しかけた。
「あのね…金曜日のお礼したくて…今日空いてるかなと思って?」
(金曜日…?)
俺は結恵を抱きしめた事やクサイ言葉を言った事を思い出した。
(ヤバッ…恥ずッ。目合わせらんねぇ)
俺は金曜日の事ばかり考えていて、話を聞いていなかった。
「そんなんぇえのになぁ、タケ?」
『…』
「タケ?」
『え?…あぁ』
「アカンょ!!ちゃんとお礼したぃし」
結恵は引かなかった。
「ん~どうする、タケ?結恵って、頭かてぇから絶対イエスって言うまで引かんで」
「頭かたいってなんよぉ!!」
「え?そのままの意味ゃけど?ハハッ」
「むぅ!!ナオヤのアホっ!!ナオヤはもぅいいし!!三神君にお礼するし!ね?三神君???」
『ん?え…あぁ…』
「アカンわ、コイツ思考能力停止中ゃ」
俺はナオヤが言うように何も考えられなかった。
俺はぼーっとナオヤと結恵が喋っているのを聞いていた。
「ん~…やっぱさ、お礼とか堅苦しいのはいいからさ、一緒に遊ぼぉゃ!!結恵の友達も呼んでぇえし」
『…』
「ん~…。ホンマぁ?そんなんでぇえん?ん~んぢゃ、それでいっか。また詳しい事は授業の後で話そぉ」
そういうと結恵はニコッと笑い、俺達に手を振りながら自分の席にへ向かった。
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