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俺とナオヤは集合時間まで喋ったりテレビを見て過ごした。
時間が近づくに連れ、俺は少し緊張してきた。
「ぉい、タケ?ワックスどこゃっけ?」
『あ?お前今日行く時使ってたゃん、洗面所ちゃぅん?』
「あっ!あったあった」
ナオヤは髪をセットしに洗面所へ行った。
『お前何気合い入れてんの?』
俺は少しからかうょうにナオヤに言った。
「そら、気合い入るっしょ。好きな子来るんゃから」
『!!??』
俺はナオヤのいきなりのカミングアウトに声が詰まった。
『はぁ~っ??何それ!!』
「あれ?言わんかったっけ?俺、結恵とつるんでるグループの中に好きな子おるって。んで、結恵が今日その子も誘ったっていうからテンション上がりまくり」
『おまっ…お前、好きな子おるしか言わんかったゃんけ!!』
「そうやっけか?笑」
『…』
「あっ!今日はせっかくのチャンスゃねんから、タケも気合い入れてセットしとけょ」
と、ナオヤは俺に言い放った。
驚き呆然とする俺とは対象的にナオヤは呆気らかんとした態度で笑っていた。
(コイツ…ホンマわけわからん)
と、俺は思いつつ頭をポリ②と掻きながら洗面所に向かった。
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