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俺達の入った店は居酒屋だったので仕事帰りのサラリーマンやOLがいたり、大学から近いということもあり学生が何人か入っており、賑わっていた。 俺達は店員に結恵の友達が座る席を案内され向かった。 席に近づくにつれ楽しそうな喋り声が聞こえる。 女の声だけではなく、男の声もまざっていた。 そこには結恵の友達と楽しそうに喋るヤスがいた。 「おっ!!タケ✋遅っせぇょ」 もうすでにテンションの高いヤス。 『あっ?[★]お前を待ってたんゃろが!!』 俺は調子にのっているヤスに少し苛立った。 「あっ…そぅか💦悪かった」 ヤスは俺が苛立ったのに気付いたのか素直に謝った。 そして結恵に近づき、 「橘も待たせてもたんゃな💦ゴメンな。体冷たなってもたょな…ゴメン」 と、結恵の頭に手をのせポンポンと叩いた。 結恵は慌てて 「大丈夫ゃで。ヤス君着いてて良かった」 と、ヤスに笑った。 俺はその時、結恵が少し顔が赤くなっていたのに気付いた。 「ぁりがとぉな。とりあえず座ろっか」 と、ヤスは結恵の肩に手を回し、結恵を席に座らせた。 ヤスは男前で爽やかで誰にでも優しい奴で、ヤス自身意識せずにしている為、その行為にやらしさもなく自然だった。 しかし、結恵は少し恥ずかしそうにしている。 俺はその様子を見ていて、また胸が痛くなった。  
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