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「ビックリしたゃん!好きとか言うから笑」
『いや、その、あの、それは…』
結恵の言葉に俺は動揺し、言葉が出てこなかった。
すると、結恵が話し始めた。
「アハハ、わかってるって!…元カレもね、私の歌好きって言ってくれててん。やから、それが嬉しくていつも彼に歌ってた。彼と何だかうまく行かなくなってきて、その頃から歌わなくなってたんやけど…、今日久々に歌って、メチャ気持ち良かった。三神君に聴いてもらえて良かった」
と、結恵は言い、俺に笑顔を見せる。
俺はその少し淋しそうな笑顔を見ると、抱きしめたくなる。
それを押さえ、俺は勇気を振り絞って言った。
『なぁ、橘。まだ元カレの事忘れられないのわかるけど、俺と一緒に…』
ガチャンッ
ガラスの割れるような音が響き、俺と結恵はその方向を見た。
アサミがマイクを手から落とし、机においてあったコップに当たり割れたのだ。
「あっあっ!!ゴメン!!」
アサミは慌てて、割れたコップの破片を集めようとした。
「アサミちゃん!!危ない、触ったアカンって!俺するから」
ナオヤはアサミの手を止めた。
「ん~~どしたんゃ??」
と、ヤスが目を覚ました。
「ゴメン、ヤス君。起こしてもた。ぼーっとしとって、手からマイクが落ちてもた」
「アハハッ、アサミちゃんって、やっぱドジなんか?片付けはナオヤに任せとき!!大丈夫やから、また盛り上がろぉ!!」
と、ヤスは起きると周りを見て状況を把握し、気落ちするアサミを元気づけるように声をかけた。
「ありがとぉ、ヤス君。ゴメンね、ナオ君💦」
「ぇえよ、破片もそんな飛んでないし、これで大丈夫やろ。片付け終わり。全然大丈夫やから、次歌ぉ?」
と、ナオヤはアサミに言った。
「うん、ぁりがとぉ」
と、アサミは答えた。
その時、アサミは腕を引っ張られた。
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