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腕をひっぱったのは猛だった。
アサミの腕を引っ張り、俺は自分の額をアサミの額にあてた。
「えっタケ?何??」
『やっぱな』
俺はアサミの腕を引きながら言った。
『ナオヤ、ゴメン帰るわ。アサミも連れて帰るから』
「え?何言っとん、タケ!!今からって時に何で帰らなアカンのよ」
と、俺に怒るアサミに対し俺は言った。
『アホ!!そんな熱あるのに無理すんな!』
「え?アサミ調子悪いん?」
と、結恵は驚きアサミに近づいた。
「え…。全然大丈夫ゃで!!チョット風邪気味なだけで元気、元気!」
とアサミは結恵に微笑んだ。
『はぁ~…カッコつけ。まぁ、今は元気ゃけど、これ以上酷くならんうちに連れて帰るわ。橘、ゴメンな、またメールする。ナオヤにちゃんと送ってもらえな』
「うん。私は全然大丈夫やから、アサミの事よろしくね」
『おぅ。んぢゃ頼むな、ナオヤ。お前また家来るんやったら、メールか電話して』
「おっ…おぉ、アサミちゃん頼むわ」
と、言ったナオヤが少し辛そうに見えた。
「おぉ!!全然心配すんな!!結恵は俺がちゃんと連れて帰る!!」
『ヤス…お前じゃ余計心配…笑』
心配する結恵の頭を、俺はポンポンとたたき言った。
『心配すんな。アサミは大丈夫やって。お前も気をつけて帰れよ』
と、言い俺はアサミを連れ、カラオケ店を出た。
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