幼なじみ

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  「ごちそぅさま」 『ぉお、あとは薬飲んで寝な』 「うん」 俺は食器を片付けた。 片付けている時、ナオヤからメールがあったので「アサミの家で看病している」と伝えた。 『じゃぁ、俺帰るから』 俺はアサミの額に冷えピタを貼りながら言った。 「ありがとぉ」 『おぅ、じゃな。明日は学校休めな。また明日来たるから』 俺は横になっているアサミに言い、帰ろうとした。 グイッ 俺の上着の裾が引っ張られ、前に進めなかった。 見ると、アサミが裾を握っていた。 『どした?』 「…」 『なんやねん?』 俺はベッドに座り、アサミを見た。 「…帰らんといて」 アサミは聞こえるか聞こえないかのようなか細い声で言った。 『…寂しいんか?』 コクッ アサミは黙って首を縦に振った。 『…』 アサミは自分の行動に恥ずかしくなり、布団を被った。 すると… ポンポン 猛はアサミの頭を撫で、 『わかった』 と、一言いうと立ち上がり玄関の方に向かって歩き出した。 ガバッ アサミは猛が帰ってしまうと思い、思わず起き上がってしまった。 それに気付いた猛はアサミの方に振り返り言った。 『ば~か。帰んねぇょ。トイレ』 と、言いトイレに入って行った。
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