幼なじみ

12/15
前へ
/121ページ
次へ
  「…タケ?」 『あ?まだ寝てなかったん?』 俺はアサミの手を握っていないもう片方の手を使い雑誌を読んでいた。 「…タケ、結恵の事好きなん?」 アサミのいきなりの問いに俺は驚き、雑誌を読んでいた手をとめた。 『…急に何言いだすねん?そんなんどうでもええやろ。はよ寝ろ』 「否定せんねや。やっぱ好きなんゃ…。…それじゃ、私は?」 『は?』 「…」 『…アサミは幼なじみや』 バサッ アサミは急に起き上がり、 「私はただの幼なじみなん?」 と、俺に言い寄ってきた。 (…どしたんコイツ。) フラッ 『危な…』 ガタンッ ダンッ 『…痛てぇ。大丈夫か?』 目を開けるとアサミの顔がとても近くにあった。 俺はアサミに押し倒された状態になっている。 「…私は…ただの幼なじみじゃ嫌やねん!!」 俺の頬にポトポトと滴が落ちてきた。 俺はアサミを抱きしめた。 『はぁ~…お前今日どしたん?何興奮しとんねん。そんな泣いたらまた熱上がるやろ?治るもんも治らんくなるで』 アサミは俺の腕の中で泣いていた。 俺はアサミを抱きしめたまま頭を撫で、泣き止み落ち着くまでその状態でいた。 そんな時… ガチャッ バンッ 玄関のドアが開いた。
/121ページ

最初のコメントを投稿しよう!

29人が本棚に入れています
本棚に追加