親友

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  結恵が息を切らしながら走ってきた。 「ハァ…ハァ…。三神君見つけるのに、けっこう走ったぁ」 と、結恵は笑い、俺を見た。 『何しとん?』 「一緒にナオヤ捜そうと思って、追いかけてきてもた」 『授業は?』 「二人の事が心配なって、集中出来んから途中で抜けてもた」 『…はぁ…』 「そのタメ息は何ょ~~~~!!」 『サボり魔~』 「むぅぅう!!そんなん言うんやったら、三神君もやん!!」 『アハハッ。嘘やん、怒んなって。ありがとな!』 「うん!」 俺の冗談に対し、怒っていた結恵はまた機嫌を直し笑顔に戻った。 コロコロと表情が変わる結恵を俺は可愛いと感じていた。 (こういうトコ好きやねんよな。…って…なんか前にも同じような事が…??) 「…かみ…ん?」 「三神君!!」 『え?…え??』 「どしたん?ボーッとして。体調悪いん?」 『いや、そんな事ないで。ちょっと考え事しとった』 「大丈夫?ちょっと顔色悪いし」 『おぉ、大丈夫や。ナオヤを捜そ』 「…うん」 結恵は俺を心配そうに見ていた。 俺は心配そうに見る結恵に、頭をポンッとたたき笑顔を見せた。 すると、結恵も安心したのか笑顔に変わった。 (俺…どしたんや…。なんか思い出さなあかん事があるような…)    
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