親友

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俺と結恵はナオヤを捜し、いろんな所を見て回った。 しかし何処にもナオヤの姿はなかった。 「三神君、屋上行った?」 『え?行ってへんけど…今12月やで?寒くて外にはおらんやろ』 「そうかな?ナオヤ、高校の時ずっと屋上おったから…」 『…行ってみるか』 俺達は屋上に向かった。 (そういやナオヤと初めて会ったのも屋上やったな) ……… …………… 大学の入学式。 俺は出ないつもりだったが、アサミが一人だと嫌だと言い、無理矢理引っ張り出された。 俺は式がめんどくさくて、とりあえず式が終わるまで時間を潰そうと屋上に行った。 屋上は少し涼しかったが、日差しが気持ちよく心地よかった。 ガチャッ 屋上のドアが開き、男が一人出て来た。 「おっ!!人おった!お前も新入生?」 いきなり喋りかけてきた男。 頭は金髪、耳にはたくさんのピアス、顔はジャニーズにいそうな男前、身長も高くスラッとした体型。 服装は入学式と言う事もあってスーツを着ていたが、ネクタイは緩くされ、はっきり言ってチャラけた調子乗りな感じの印象だった。 『あぁ。お前も?』 「おぉ!」 (こいつも式サボり組か) 「お前ここで何しとん?」 『あ?お前と一緒でサボり』 「サボり?式サボんの??」 『は?お前もサボるからここに来たんやろ?』 「え?ちゃうで。俺は気分転換!俺意外と緊張しぃやから、落ち着こう思って。屋上ってなんか落ち着かね?笑」 『は?緊張??』 「俺、新入生代表で喋んねん。やから…おっ!もう時間や。お前も式ちゃんと出ろや。俺のスピーチ聞いてや」 と、言い男は屋上を出て行った。 (アイツが新入生代表!?) 俺はそいつが気になり、式に出た。 「あっ!タケ!!式サボるんやと思ってた。どういう心境の変化??」 と、アサミがからかってきたが俺はうるせぇとだけ言い、アイツが喋るのを待った。  
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