親友

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  「三神君?また考え事中??」 と、結恵が俺をのぞきこんだ。 『あ…あぁ、初めてナオヤと話した時の事思い出しとった笑』 「そうなんゃ。屋上で初めてあった時の事?」 『え?何で知っとん?』 「ナオヤには内緒にしとってって言われてるんやけど…。ナオヤね、三神君に会った後、私んトコに来て、その事メチャ嬉しそうに話してきてん」 『なんて?』 「変わった奴発見した!!って笑」 『…アイツ!!』 「三神君、屋上で大の字になって寝転がって、空に向かって叫んでたんやろ?」 『なっ!!』 (アイツそんなトコも見とったん!!うわっはず) 「アハハッ。あとナオヤすごい嬉しそうに言うてたょ。ナオヤね、見た目あんなやから、今まで声かけたらまずビビられて逃げられるか、ガンつけられるかのどっちかやったのに、三神君は普通に話してくれたって。それに三神君からまた声かけられた時、そんな事滅多にない事やから、すごいビックリしたけど、メチャ感動したって言うてた」 と、結恵は笑った。 『…』 「ナオヤは…周りになめられたくナイからって見た目あんなんやけど、中身はすっごい気使いやし、寂しがりやし、友達思いやねん。勘違いされがちやけど、それを理解してくれてる友達…三神君がいてくれるからナオヤはいつも楽しく学校来れるんやと思う。…やから、喧嘩してるんやったら仲直りしてほしいねん」 と、結恵は言った。 結恵は俺達が気まずくなっているのを感じとり、心配していたのだ。 『ありがとな、橘。心配すんな。俺達は親友や。話したらまたもと通りになる』 「うん」 そして俺達は屋上に着いた。  
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